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私、栗原麻菜は皆さんが悩んでおられる、アルコールによる手荒れについてお話します。
「新しい生活様式」に欠かせないのがアルコール消毒ですが、70%以上の濃度のアルコールが望ましく、60%以上でも何とか抗ウイルス作用が期待できるとされています。
いずれにせよ、高濃度のアルコールが必要であり、こまめなアルコール消毒による手荒れを生じた方の相談が増えています。
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アルコールそのものにかぶれる方もまれにいますが、多くのアルコール消毒による手荒れの原因は別にあります。
手のひらや手指には皮脂を出す脂腺が少ないために皮脂膜が作られにくく、その代わりにバリアを保つ角層がほかの部位より厚くなっています。
その角層にはセラミドを主とする角質細胞間脂質がありバリア機能を果たしていますが、アルコールはこの細胞間脂質を溶かしだしてしまい、外からの刺激に対する抵抗力を減少させてしまいます。
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そのために、普段なら何でもないような書類を扱うとか、キーボードを打つとかの行為でも手荒れを生じてしまうようになります。つまり、アルコールそのもので手荒れを起こすというよりも、アルコールにより手荒れの準備状態が作られてしまうのです。
小田富美子先生が提唱されている「未病肌」の一つがアルコールによって手に作られている、と考えてよいでしょう。そうなると、見た目は正常でも、アルコール消毒が繰り返されている手指ではバリア補強を心がけることが大切です。その方法については、次のコラムでお話しします。
まな皮ふ科クリニック院長 栗原麻菜